ステロイドについて皮膚科専門医に聞いてみました

ステロイドについて皮膚科専門医に聞いてみました

ステロイドの塗り薬はどのような時に使う薬なのでしょうか?

アトピー性皮膚炎や虫刺されなどの皮膚炎を起こして湿疹となる多くの皮膚疾患に対して主に使用されます。

ステロイドの塗り薬にはどのようなものがあるのですか?

ステロイドの塗り薬は強さで5ランクに分かれています。 ステロイド外用薬のランクと代表的な塗り薬としては以下があります。

  • Strongest

    • デルモベート
    • ジフラール
    • ダイアコート
  • Very strong

    • アンテベート
    • マイザー
    • ネリゾナ
    • フルメタ
    • トプシム
    • パンデル
    • リンデロンDP
  • Strong

    • ベトネベート(市販薬)
    • フルコート(市販薬)
    • リンデロンV
    • ボアラ
    • エクラー
    • メサデルム
  • Mild

    • リドメックス
    • アルメタ
    • ロコイド
    • キンダベート
  • Weak

    • プレドニゾロン 

同ランクの塗り薬では効果に大きな違いはありません。市販薬で購入できるのは、Strong、Mild、Weakの3ランクです。

ステロイドの塗り薬はどういうときにどれを使えばいいのでしょうか?

体の部位によって薬の吸収率が違うので、部位によって使いわけます。 

基本的には

  • 首から下:Strong〜Very strong
  • 顔面・陰部:Mild 
  • 掌や足の裏:Strongest  
  • 炎症が非常に強い場合はひとつ上のランクを使うこともあります。  

小児は吸収が良いので、顔も体もMildクラス(4番目の強さ)を使用することが多いです。

ステロイドの塗り薬の1回あたりの適量はどの程度でしょうか?

人さし指の先端から関節1つ分にチューブから絞り出した軟膏(約0.5g)を手のひら2枚分の範囲に塗るのが一般的です。自分で塗ってみると分かりますが、かなりべたつく感じになります。軽く照かる程度や、塗った後にティッシュを乗せて逆さにしても落ちない程度という表現もあります。

ステロイドの塗り薬は1日何回塗ったらいいのでしょうか?

1日2回(朝、入浴後)が原則です。症状に改善が見られれば1日1回とし、その後は症状がなくても週に2,3回定期的に塗り続けることをお勧めします.

ステロイドの塗り薬は副作用が心配です。使用量は少なくすべきですか?

ステロイドの薬を塗っても治らないという患者さんの場合、塗り薬が全然減っておらず使う量が少なすぎる場合が多くみられます。 ステロイドについて過剰に心配をし、極薄く短期間のみ使うという使い方では効果が出ないことが多いです。そのような使い方ではむしろステロイドの塗り薬のトータル使用量が増えてしまい、治療に必要な期間も長くなりますので副作用のリスクも上がります。  ステロイドは怖いという事が社会通念になっている日本では、塗り薬の使用量が少ないことが多いと言われています。

ステロイドの塗り薬にはどのような副作用があるのですか?

ステロイドの塗り薬による局所的な副作用としては、ニキビ・皮膚が薄くなる・毛が濃くなる・皮膚の感染症にかかりやすくなる、などがあります。 これら症状は使用を中止することで改善していきます。

インターネット上のブログや各種メディアによるステロイドの塗り薬の副作用情報について、ステロイドの点滴や飲み薬による全身性の副作用と混同しているものが多く見られます。

全身性の副作用としては、副腎不全、糖尿病、骨粗しょう症などがありまのすが、ステロイドの塗り薬を通常量で使用している分には起こりえません。

ステロイドが目に影響すると聞いたことがあるのですが?

ステロイドの塗り薬を眼の周りに長期的に塗っていると、緑内障を誘発することがあります。飲み薬が白内障を誘発することはありますが、塗り薬が白内障を誘発することは少ないです。

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