花粉症の時期に発生する皮膚炎「花粉皮膚炎」の特徴

花粉皮膚炎とは

毎年、2~4月、11~12月にかけて沖縄、北海道北東部以外の地域でスギ花粉が飛散します。(年に2回ピークの時期があるのです。)この時期に花粉症の症状(目のかゆみや鼻水など)が出るのは皆さんもよくご存知かと思います。これに加えて、最近はスギ花粉による皮膚炎である花粉皮膚炎が注目されています。大気中に浮遊しているスギ花粉が皮膚に接触することで発症する湿疹が花粉皮膚炎です。
スギ花粉以外では、シラカバやブタクサなどの他の花粉でも花粉皮膚炎は起ります。また、黄砂によっても花粉皮膚炎と同じような症状が出ることがあります。

花粉皮膚炎の症状

主に顔と首に赤いかゆいブツブツが出来ます。顔では、特に眼の周りに少し腫れた様な比較的境界のはっきりした赤い発疹が出来ると共に、顔のほかの場所や首にも同じような発疹が出来ます。普通の皮膚炎よりも症状が長引くことが多いといわれており、花粉の時期が終わってもなかなか症状が治まらないことも多いです。また女性に多くみられることも特徴です。
皮膚科の患者さんでも、春や秋のスギ花粉の多い時期に眼の周りに皮膚炎が出来る患者さんが多く受診されます。黄砂の多い時期にも同じような症状で受診される患者さんが増えます。

アトピーのある方

アトピー性皮膚炎を持っている場合は、アトピー症状が一時的に悪化します。

診断方法

有用な診断方法として、皮膚に小さな傷をつけ、花粉の液を垂らして密封し、赤くなるかどうかを見るというスクラッチパッチテストという方法があります。病院の皮膚科でやっていることが多いですが、街中の皮膚科開業医でも少ないですが実施しているところがあります。検査の希望がある場合は、一度問い合わせていただくことをオススメいたします。
血液検査もありますが、目や鼻の症状しか出ない人でも、花粉に対する抗体が陽性になるので、花粉皮膚炎の診断に使用して判断するのは難しいです。

治療方法

皮膚炎に対してはステロイドの塗り薬で炎症を抑えます。また、カユミを抑えるために抗ヒスタミン薬(アレグラ、アレジオンなど)の飲み薬を使用することもあります。

予防方法

花粉が直接皮膚に触れないようにすることが大事です。そのため、外出時はメガネやマスクや帽子で花粉が皮膚に付かないようにしたり、帰宅したときに花粉を家に持ち込まないように、家に入る前に上着などを払ってから家に入るようにすることも大切です。また、難しいかもしれませんが、外出時に洗顔することもできるのであればオススメいたします。
さらに、顔に直接花粉が付かないように化粧をしっかりすることもある程度有効ですし、洗濯した衣服を部屋干しして花粉が付かないようにすることも有効です。

似ている病気

花粉皮膚炎と似たような症状で化粧品や目薬などによるカブレがあります。年中ずっと顔の皮膚炎の症状が続く場合などでは、花粉皮膚炎以外の可能性も考えます。皮膚炎の分布などでも化粧品カブレなのか花粉皮膚炎なのかがある程度分かることもあります。

まとめ

毎年同じ時期に顔に湿疹が出来る、アトピーが悪化することがあれば、花粉皮膚炎が関係しているのかもしれません。心配であればお近くの皮膚科専門医にご相談ください。

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